音楽がつなぐ、新しい自分との出会い——平野純菜さんが学ぶ、ブライダル音響の世界

好きな音楽と映画が広げてくれた世界

秋の澄んだ空気が心地よく感じられる季節。今回お話を伺ったのは、ブライダル音響を学ぶ平野純菜(ひらの・じゅんな)さんです。

平野さんの音への関心の原点には、幼い頃から親しんできた海外の映画やドラマ、アニメがありました。特に好きだったのが、ディズニー・チャンネルのミュージカル映画『ハイスクール・ミュージカル』や『ティーン・ビーチ・ムービー』です。日本とは異なる文化や雰囲気に憧れを抱き、何度も楽しんできた作品は、英語を学ぼうと思ったきっかけにもなりました。

「小さい頃から音楽や海外の作品が好きだったので、音楽に関わる仕事か、英語に関係する仕事ができたらいいな、という気持ちはありました。でも、具体的にこれになりたい、という職業は決まっていなかったんです」

そんな平野さんは、関東に引っ越してからライブに出かけることにも夢中になっているそうです。土日が仕事になることも多く、なかなか参加できない日もありますが、行けるライブには積極的に足を運んでいます。ライブハウスで新しいバンドに出会ったり、好きなバンドの音楽を生で聴いたりする時間は、気分が上がる大切なひととき。音楽を愛する気持ちが、今の仕事にもつながっています。

音楽で、新郎新婦の大切な一日をつくる

鹿児島の短期大学を卒業後、学んできた分野とは異なる仕事の道へ進んだ平野さん。ブライダル音響を選んだことについて、「これといったきっかけがあったわけではないんです」と率直に話してくれました。

それでも、新郎新婦の大切な一日を、音楽を通して空間ごとつくり上げていく仕事には、大きな魅力を感じています。

結婚式では、入場や乾杯、歓談、手紙、退場など、さまざまな場面で音楽が流れます。同じ会場でも、選ばれる曲や流すタイミングによって、その場の雰囲気やゲストの感じ方は変わります。音楽は単に会場に流れているものではなく、その瞬間の感動や思い出を支える大切な要素なのです。

打ち合わせでは、新郎新婦が選んだ曲に触れる機会も多くあります。普段、自分で音楽を聴くときは好きなアーティストやジャンルに偏りがちですが、仕事を通じて、これまで知らなかった曲に出会うことも少なくありません。

「仕事をしながら新しい音楽を知ることができるのは、楽しいですね」 自分の好きな音楽を楽しむことから、誰かの好きな音楽を知り、その人の大切な一日を彩ることへ。音楽との関わり方も、少しずつ広がっているようです。

初めての機材、できることが増える喜び

音響の仕事を始める前は、専門的な知識はほとんどなく、CDデッキも再生ボタンと停止ボタンを知っているくらいだったという平野さん。もちろん、ミキサーの操作も未知の世界でした。

それが今では、さまざまな機材を扱いながら結婚式の音響に携わっています。

「その機械たちを扱えるようになったことが、自分の成長だと思いたいです(笑)」

そんな言葉からは、飾らない人柄と、少しずつできることを増やしてきた実感が伝わってきます。

HASEGAWA S.T.で良かったと感じることの一つは、音響の専門知識を学べること。そして、さまざまなことに挑戦できることです。

その一つが、DJ検定への挑戦でした。以前は、自分がDJの機材に触れることになるとは想像もしていなかったそうです。検定を通じて機材を操作したり、DJについて調べたりするなかで、まだ完璧ではないものの、自分にできることの幅が広がったことをうれしく感じています。

初めてのことに戸惑いながらも、一つひとつ経験を積み重ねる。好きな音楽を入口に、これまで知らなかった技術や世界へと踏み出している平野さんです。

大切なのは、周囲とコミュニケーションを取ること

これからブライダル音響を目指す方へのアドバイスを尋ねると、「まだアドバイスできるほど音響について成長していないと思うのですが」と、控えめに笑う平野さん。それでも、結婚式の現場で大切だと感じていることを教えてくれました。

「一緒に披露宴の準備を行ううえで、会場の方やスタッフさんとコミュニケーションを取ることは、どの施行でも大切だと感じています」

結婚式は、多くのスタッフが力を合わせてつくり上げるものです。音響担当者も、会場スタッフや進行に関わる人たちと連携しながら、その日の状況に合わせて動く必要があります。機材を操作する技術だけでなく、周囲と情報を共有し、チームで一つの結婚式を支える姿勢も欠かせません。

ブライダル業界に興味があっても、「専門知識がないから難しそう」「自分にできるだろうか」と不安に感じる方もいるかもしれません。平野さん自身も、音響について何も知らないところからスタートしました。それでも、学びを重ね、初めての機材に触れ、新しい音楽と出会いながら、一歩ずつ成長しています。

好きなことをきっかけに、まだ知らない世界へ踏み出してみる。そこで出会う人や経験が、自分の可能性を広げてくれることもあります。

秋の風が新しい季節の訪れを告げるように、平野さんもまた、音楽とともに新しい自分に出会い続けています。これからどんな音楽に出会い、どんな結婚式を支えていくのでしょうか。その成長が楽しみです。

ハピ子

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